A.必ず法定相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。
遺言によって相続分が指定されていない場合に、適用されるものですが、相続人全員が納得するのであれば、例えば相続人のうち一人が全てを相続するという内容でも良いですし、もちろん自宅の土地建物はAさん、預貯金はBさんといった分け方でも構いません。とにかく、相続人全員が合意すれば、どのように分けようと自由なのです。
ただし遺言がなかったり、相続人同士の話し合いで合意しない場合には、家庭裁判所に調停・審判をしてもらうことになり、その場合はこの法定相続分が基準となるということを理解しておくといいでしょう。
法定相続分
法定相続分とは、民法第900条及び第901条に規定する相続分です。
相続人に配偶者(内縁の配偶者は含まれません)がいる場合
◆配偶者のみ・・・100%
◆配偶者と子供・・・配偶者1/2 ・ 子供1/2
◆配偶者と父母・・・配偶者2/3 ・ 父母1/3
◆配偶者と兄弟姉妹・・・配偶者3/4 ・ 兄弟姉妹1/4
相続人に配偶者がいない場合
(血族相続人の優先順位の高い順より100%の割合で相続します)
◆第一順位 直系卑属(子供・孫・曾孫…)ただし、非嫡出子は嫡出子の半分
◆第二順位 直系尊属(父母)
◆第三順位 兄弟姉妹
※子は被相続人である親と法律上の親子関係があれば、実子・養子・摘出子・非摘出子の区別なく相続人となります。
※子が既になくなっている場合は孫⇒曾孫⇒玄孫・・・と代襲者がいる場合は代襲相続となるため 父母・兄弟姉妹に取り分はありません。
※兄弟姉妹にも代襲相続の制度が適用されます。但し、一代限り(兄弟姉妹の子供のみで、孫以降は適用されません)となっています。